日本キリスト教団砥部教会は1954年（昭和29年）に附属幼稚園を設置し、愛育幼稚園が砥部町に誕生しました。2020年3月には第66回の卒園式を行ない、23名の園児がこの園を巣立ち、卒園児の数は2,030人となりました。
　私は、子どもたちが一人ひとり、この園で伸び伸びと、活き活きと、楽しく過ごせたら一番だと感じています。そしてこの園の生活の中で、その中心となる自由遊びの中で自分自身を開放し、感性豊かで、その子らしい成長を見届けることがこの上ない喜びとなっています。
　認定こども園愛育幼稚園の保育は、イエス・キリストの教えの中心である「愛」を出発点また目標としてきました。愛は離れているものを結びつける力を秘めています。愛は人と人、人と神を結び会わせる絆です。園児は愛育の生活の中で、自分は神さまと家族、そして多くの人々に受け容れられ、愛されている存在であることを知っていきます。そして、日々の礼拝の中で、幼子に身近であろうとされたイエス様を身近に感じながら受け止めていきます。同時にその中で、一人ひとりが感謝と喜びをもって、自分自身を受け容れていけるのだと思います。
　考える力、心を動かす力、探究する力、判断する力など、愛育はそのための豊かな感性と創造力を養うところであると考えています。また、自分と友だちの違いを認めながら、その違いを大切にする保育を進めています。私たちの社会では、この違いが、多くの場合偏見と差別の根源となってしまっているのは残念です。しかしそうではなく、違うことが大切であり、例外なく神さまから愛され受け入れられている者として、互いに共に生きることの素晴らしさを体験していってほしいと願っています。時として、人の交わりを壊すさまざまの悪が頭をもたげることもあります。一人では何もできないかもしれませんが、力を合わせれば臆すること無く、それに対抗することもできる力が養われていくでしょう。